炭鉱夫は止まらない

世の中に眠った役立ちそうなものを探して綴る雑記

エルゴトロンのOEM製品、HPのモニターアームが安くて超高性能なのでオススメ

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突然ですがモニターのスタンドって不便じゃないですか?
モニターの下を否が応でも占領されるし、附属のスタンドによっては高さ調整もできない。
モニターの配線をするにもコネクタが後ろ側にあるから一苦労。

そんな不満を一気に解決してくれるのがモニターアームです。
ただし、これにも注意が必要で、下手なモニターアームを購入してしまうと何らかの不満が解消されず余計イライラすることも…。

「オススメのモニターアームってなに?」と聞かれて誰もがまず答えるのはエルゴトロンのLXです。

エルゴトロン LX デスクマウント モニターアーム 45-241-026

上記の不満全てに対して解決してくれる可能性が一番高いのがこれだからです。

しかし、このモニターアームの最大の欠点が“価格が高い”というところ。
安価なものだと3000円でおつりがくるものもある中、その5~6倍という価格には購入の手をかなり躊躇してしまいます。

そこでオススメなのが、PCで有名なHP(ヒューレット・パッカード)のモニターアームBT861AAです。
こちらはなんと、エルゴトロンのLXのOEM製品なのです!
それでいて価格は1万程度。
性能はエルゴトロンと同等なのに価格は安いという素晴らしい製品なので、これを選ばない手はありません。

OEMとは

製造業に身を置いているとよく聞く言葉なのですが、それ以外の人にはあまり馴染みのない言葉だと思います。
OEMとは、Wikipediaからの引用になりますが

他社ブランド製品の製造ないしは他社製品の自社ブランドでの販売を行う企業

という意味です。
今回の件で言えば、HPというブランドの製品のためにエルゴトロンという企業が製品を製造しているということですね。

普通はブランド料が入る分OEM製品の方が高くなることが多いのですが、今回は元となるエルゴトロンのモニターアームよりも、OEMであるHPの方が安くなっています。
となると、どこかしらでコストダウンが行われていることになります。
エルゴトロンとHPとで違うポイントは3カ所です。

カラーの違い

エルゴトロンのLXとHPのBT861AAにおける一番の違いはカラーです。
そして、恐らく一番コストに影響しているところではないでしょうか。

エルゴトロンのLXはカラーがシルバーですが、この色合いはアルミニウムを綺麗に磨いた後、コーティングすることで実現されています。
一方でHPのBT861AAはカラーがブラックですが、こちらは黒アルマイト処理をされることで実現されています。

ややこしくなるため詳細は省きますが、アルミ材でシルバーカラーを実現するのはブラックに比べてはるかに手間がかかるため価格が高くなっていると思ってもらえればと思います。

※ LXにはホワイトもありますが、これはこれで塗装が必要なのでコストが高くつきます

保証期間の違い

次に大きな違いとなるのが、保証期間の違いです。
エルゴトロンのモニターアームは10年保証という非常に長い保証が付くのに対して、HPでは1年と一般的な保証期間となっています。

保証期間が長いというのは単純に修理や交換でコストがかかる以外にも、販売を終了してから最低でも10年は部材を保持していなければならないというリスクがあります。
当然ながら部材を保持するための場所代もかかってしまいます。
そのため、安易に販売を終了することも出来ないし、利益をある程度確保して販売する必要があります。

一方で1年保証であれば部材保持の期間が短いためいつでも撤退することができるし、利益率を多少は下げることが可能です。

こうした保証の差がエルゴトロンとHPの価格差につながっています。
実際のところ余程激しい動きをさせない限り、エルゴトロンのLXが壊れたという話は聞いたことがないので心配はいらないかと思いますが。

固定用台座が違う

一見すると色以外に違いは無いように見えるエルゴトロンとHPのモニターアームですが、さり気なく固定用の台座のデザインが変更されています。
普通は共通部品を使った方がコストダウン的には良いのですが、よく見てみるとエルゴトロンの台座は2パーツで構成されているのに対してHPの台座は1パーツで構成されています。
パーツは少ない方が安く済むため、こちらも恐らくコストダウンのための変更でしょう。

個人的にエルゴトロンの方がかっこよく見えるのが惜しいところ…。まぁ台座部分なんて目立つ部分でもないですし良いでしょう。

レビュー

納品されてきたときの部品はこんな感じです。
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本体はほぼほぼ組み立っている状態です。
ネジ等細かい部品はいくつか種類があってややこしいかもしれませんが、クランプ式(机を挟んで固定する方式)として使う場合はほとんど使うことはありません。せいぜいモニター装着用のネジくらいです。

ただし、グロメット式(机に穴を空けてネジで固定する方式)に変更する場合は部品を交換したり六角を使ったりとちょっとだけややこしくなります。
今回僕はクランプ式で使ったため、グロメット式については省略させてもらいます。

組立説明書はIKEAの家具に似ている気がします。
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文章は無く図だけで示しており、使う道具についても指定されているので簡単です。
箱を空けて説明書を読んで~といった作業を含めても30分以内に作業が終了します。
今からもう1台設置しろと言われれば10分以内に終わらせられる自信があります。
それくらい簡単です。

動作についてですが、驚くほどに良好です。
まず、動かすのにあまり力がいりません。
女性でも簡単に動かすことができるでしょう。かと言ってちょっと物が当たっただけで簡単に位置がズレてしまうかと言うとそういうわけでもありません。
動かそうと思えば動かせる。丁度いい硬さです。

次に位置の決めやすさ。
ココと決めた場所で手を離すとその位置で固定されます。
何を当たり前のこと言ってるんだと思う人もいるかもしれませんが、大抵のこういう軸が多いタイプのモニターアームは、決めた位置で手を放すと位置がズレます。
部品のたわみだとか空気の圧縮による反発だとかが考えられますが、とにかくズレます。

逆に軸がほとんどなく、ナット締めて位置を固定するタイプのモニターアームはそもそも位置決めが大変です。なんせ固定するためにはモニターを抱えた状態でナットを締める必要がありますからね。

そんなわけでここと決めた位置でディスプレイの位置が固定されるというのは非常にありがたいことなんです。
気に入った位置に決めるのに何十分もモニターアームと格闘するなんていうのは決して珍しい話ではありません。
しかし、HPのこのモニターアームであれば、そんな無駄な時間を過ごす必要が無くなります。

シングルアームかデュアルアームかについて

大抵のモニターアームにはシングルアームタイプとデュアルアームタイプがあります。
1本の軸で2枚のディスプレイを固定することができるため場所を節約できるうえに、シングルアームを2本買うよりも安価です。
用途がしっかりと決まっていて十分に検討した上で購入するのなら問題はありません。
しかし、もしどちらが良いか悩むようでしたら、シングルアームを購入することをオススメします。

なぜなら、モニターアームに関して言うと大は小を兼ねないからです。
私が挙げる理由は二つ。
机への負担の大きさと、汎用性の低さです。

机への負担

元々モニターアーム自体が机へかける負担というのはかなり大きいのですが、デュアルモニターアームの場合は2台分の負担が一カ所に集中してしまいます。

デュアルモニターアームの固定台はシングルに比べて大きいため、実際に加わる負荷は2倍ではないのですが、増大することには違いありません。
さて、これがスチール製のオフィス机や高級な一枚板を使った頑丈な机であれば特に心配する必要はありません。
しかし、合板や集成材を使った安価な机の場合は、局所的に大きな力が加わることを想定していないため非常に脆いのです。
デュアルモニターアームのように1カ所に大きな力が加わると机が壊れる可能性があり危険です。
もし安全だと確信できないのであればデュアルモニターアームは避けておいたほうが賢明です。

配置の自由度

デュアルモニターアームはアームの出どころが共通のため、2つのモニター間の配置には必ず制限が生まれます。
特に、アームの軸を机のセンターに設置できなかった場合は、左右対称に配置出来ない可能性も出てきます。

シングルモニターアームであればそれぞれを机の両端に設置したり、絶妙に荷物を避けて設置したりとかなり自由に設置することができます。

「ここに軸を設置してこの配置でしか使うつもりがない!」と明確に使う場面が想像できているのなら構いませんが、ちょっとでも悩むようでしたら僕はシングルアーム2本を購入することをオススメします。

終わりに

よくある価格の安い同等品というのは知らないメーカーがそれっぽく作った“似たような”製品ですが、HPのBT861AAというモニターアームは間違いなくエルゴトロンが作った製品です。それは説明書にメーカー名がはっきり書かれていることからも明白です。

見た目も頑丈そうな作りで高級感がありますし、性能も十分満足のいくものです。
流石に表面の質感は違いますし、色の好みで悩む人はいるかと思いますが、そこにこだわりが無ければHPのBT861AAは非常にオススメのモニターアームです。
むしろブラックの方が目立たなくて使いやすいですよ!

今日はそんな感じで。
ではでは~