中高生の読解力テストで見えてくる色々なヤバさ
2019/12/25更新
一部で話題になっている中学生の読解力不足問題。
はてブでも話題になっており、問題が悪いだ悪くないだの話がされていますね(かなり今更感がありますが)
この問題に関してのみ言えば僕はこの記事の作者であるしんざきさんと同意見ではあるのですが、でも問題文が誤解しやすい文という意見もまぁ理解できます。
でも問題ってそういうものじゃないの?
特にこの試験は“どの程度煩雑な文章だと回答率が下がるか”というのを見たいわけなので、文法上間違ってはいないけれど読み辛い文章というのが出てくるのは何もおかしくはないのでは。
と、今日は別にこの記事についてどうこう言いたいわけではなくてですね。
今回のこの読解力テストについて気になったので調べていたところ、数学や科学が関わってくると途端に読解力が落ちていることに危機感を覚えました。
接するの意味がわからない人が多いらしい
まずはこちらの問題を見てください。
[出典:国立情報学研究所HP]
この手の“すべて選びなさい”という問題は回答が2個以上あるんじゃないか、という気持ちになるのはわかります。
それにしてもBとCを選ぶ人がちょっと多いですね。
BもCもx軸に接してないよ!それめり込んでるよ!
これは接するの意味をわかっていないということでしょうか?
接するというのは1点のみで触れている状態を言います。
この問題がわからないままでいれば、高校の数学の主となる関数が全てわからないということになってしまう恐れがあります。
こんな数学とは関係のないところでつまずいて数学嫌いになってしまうのは悲しいですね。
そしてもう一つ気になるのは回答が結構バラけているところ。
これ、思考放棄して適当に選んでる人が一定数いるんじゃないですかね…。
専門用語が出るとわからなくなる?
次はこちらの問題を見てみてください。
正答率が3割以下!
[出典:国立情報学研究所HP]
どうなのこれ!
高校の生物の教科書からの引用になるため、中学生は知らない単語があっても仕方ないかと思います。
とは言えこのテストはこういった専門用語を知らなくても解けるようにできていて、実際この問題の文章構成自体は冷静になって読めば別に難しいものではないですよね。
アミラーゼという酵素は“デンプン”を分解するが、“セルロース”は分解できない
デンプンはグルコースがつながってできたもの
セルロースはデンプンと同じくグルコースがつながってできたものだが、形が違う
こうすればわかるでしょうか。
この問題は“同じグルコースからできていても”がどこにかかるのか、そして“同じ”が何と同じなのかを理解できないと間違えるのかなと想像します。
Bのアミラーゼと間違えた人は、“同じグルコースからできていても”という文章をどこかへやってしまったのでしょうか。
確かにこれを省略すればそう読めなくもないですが…。
何気に高校生の半数以上がBを選択していることに驚きを隠せません。
Cのグルコースと間違えた人は“からできていても”という文字をどこかへすっ飛ばしたのでしょうか。
中学生が多いですが、うーん…。
Dの酵素と間違えた人は特に言うことはないです、はい。適当に選んだ人だよね。
この問題の回答率を見て思ったのが、“いかにも理系の単語”が出ると思考を放棄してしまう人が多いのではないかということです。
というのも公表されている問題の中でこれだけ圧倒的に正答率が低いです。
問題が悪い!と話題の並べ替えの問題でさえ7~8割の正答率なわけですからね。
しかもこれ、教科書に載っている文章なんですから。
そりゃ理系の学生が少ないわけですよ。
教科書読めてないんだから…。
この問題は気になる人が多いようなのでより詳しく読み解いてみました。
www.coal-miner.com
終わりに
今回のこの読解力テストですが、読解力の低下以外にも現在の教育への色々な問題が表れているんじゃないかと思いました。
お隣の国がノーベル賞を取れないことをネットでは馬鹿にしていますが、日本もそう遠くないうちにノーベル賞を取れる人がいなくなってしまうんじゃないですかね。
教科書が悪いのか、教師の教育方法が悪いのかまではわかりませんが、これからは小学生でもわかる高校生物!とか小学生でもわかる高校数学!とかの本を出していかないといけないんじゃないですかね。
そんなことを思った水曜日でした。