炭鉱夫は止まらない

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【レビュー】ハイレゾ対応ウォークマンNW-A45を購入してみた

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前から新しいウォークマンを買おう買おう言っていましたが、やっと購入にいたりました。
結局選んだのはSONYのハイレゾ対応ウォークマン「NW-A45」。
ということで早速NW-A45のレビューをしたいと思います。

NW-A40シリーズを選んだ理由

本機はウォークマンAシリーズというハイレゾ対応ウォークマンの入門機であり、その中でも2017年10月発売したばかりの最新機種となっています。

Aシリーズの特徴はなんと言っても高級機種であるNW-WM1AやNW-ZX300と基本機能はほとんど変わらないというところでしょう。
その中でも最新のA40シリーズには以下のような機能があります。


A40シリーズの機能・ハイレゾ音源再生可能
・高音質フルデジタルアンプ「S-Master HX」搭載
・MP3音源をハイレゾ相当にする「DSEE HX」
・Bluetoothでハイレゾ相当を楽しめる「LDAC」「aptX HD」規格対応
・パソコンを高音質プレーヤー化する「USB-DAC」機能

すごいですよね。
これらの機能は最も安価なウォークマンSシリーズには1つも搭載されていません。
そう考えるといかにA40シリーズがお得であるかがわかります。

そうなるとNW-WM1AやNW-ZX300を買うメリットはあるのか?
と思う人もいるかと思いますが、高級機種は大きな違いとしてイヤホンジャックがバランス接続対応となっています。
また、ケースやイヤホンジャックなど部品一つ一つがこだわりを持って作られており、それによってA40シリーズ以上に低ノイズ、高音質化されています。

ではなぜ高級機種ではなくA40シリーズを選んだのか?
最も大きな理由は、Bluetoothヘッドホンを使う場合はその恩恵を得られないから。

今回僕がウォークマンを買い替えようと思ったのが、Bluetoothヘッドホンで音楽を楽しみたかったからなんです。
でもBluetoothはデータとしてやり取りを行うため本体の性能ってほとんど関係ないんですよ。
唯一関係あるのがBluetoothのデータ伝送量に大きく影響する「LDAC」や「aptX」というコーデック。
だからLDACとaptXに対応している中で一番安価なA40シリーズで十分だと思ったんですね。

(高級機種との音の違いがわからなかったってのもあるんですが)

NW-A45の使い勝手

ここからは実際にNW-A45の使い勝手についてご紹介します。

操作感について

まずは電源の起動から。
電源OFFから操作可能になるまでの時間は25秒程度とやや長めです。
幸いスリープ時の待機電力がかなり低いみたいなので無理に電源をOFFにする必要はないのが救いでしょうか。

次に操作について。

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タッチパネルの操作感度は一昔前のAndroidスマホ程度と、決して良くはないけれど特別不満はないという程度。
画面サイズの割に一部アイコンが小さいため誤操作を心配していましたが、しっかりと意図したところに反応してくれるため問題ありませんでした。

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側面には機械式スイッチが付いているため、画面表示をしなくてもある程度操作ができます。

ポケットの中に入れたままでも操作できるのは結構大事なことなのでこれは有難い。

全体的に操作感にはそれほど大きな不満はありません。

着々と進化している音質

僕が今まで使っていた機種は同じくSONYのNW-M505というもの。
2013年発売のものなのでちょっと古いものになってしまいますが、「S-Master MX」というデジタルアンプを搭載しており、当時としては結構高音質な機種でした。

今回はこいつを使ってNW-A45と聴き比べてみました。
比較に使用した曲はClariSの「コネクト」で320kbps、44.1kHz、16bitのmp3音源。

コネクト

コネクト

  • ClariS
  • アニメ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

使用したイヤホンはJVCのHA-FX26(1500円くらい)とSONYのWI-H700(20000円くらい)。

WI-H700については別途レビューをしているのでよろしければどうぞ。
www.coal-miner.com

本体のイコライザー等の機能は全てOFFにしています。
比較してみたところ、音の臨場感が全然違いました!
個人的に一番わかりやすいのはAメロのアコースティックギターの音でしょうか。
NW-M505ではギターの音がなんとなく平べったいのですが、NW-A45で聴くとアコースティックギターらしい空気感を感じることができます。
これはどちらのイヤホンを使用した場合でも感じ取ることができたため、安価なイヤホンを使っていても十分違いを感じ取れるレベルの音質の進化です。

これでもNW-M505は最近のスマホで聴くよりも確実に良い音だと思えるくらいには良いものだったの軽く衝撃でした。

DSEE-HXは確かにハイレゾっぽくなる

SONYが売りにしている機能の一つであるDSEE-HX
これはCD音源やmp3音源などの非ハイレゾ音源をハイレゾっぽい音源にする機能ですが、果たしてその効果は。
今回比較に使用した曲はこれまたClariSの「コネクト」で320kbps、44.1kHz、16bitのmp3音源と96kHz、24itのハイレゾ音源。
使用したイヤホンは先ほどと同じJVCのHA-FX26とSONYのWI-H700。

mp3とDSEE-HXの比較

まずはmp3の状態とmp3にDSEE-HXをかけた場合とで比較してみました。
WI-H700で聴いたところ、ボーカルの声がクリアに聴こえるようになるのと、楽器の音のキレが良くなっているのがわかります。
これはすごい!
楽器については2番のAメロや2番サビ後の間奏を聴くと特にわかりやすいかと思います。

一方でHA-FX26で聴いたところ、なんだかザーザーした音が増えたというか、付け足された音がノイズのような感じになっています。
恐らくこのイヤホンで再生できるかできないかの瀬戸際の音が加わったことでノイズになってしまっているのではないかなと思います。
ハイレゾ非対応の安価なイヤホンではDSEE-HXは逆効果みたい

DSEE-HXとハイレゾ音源の比較

DSEE-HXによる疑似ハイレゾと本物のハイレゾの比較をしてみました。
いざ本物と聴き比べてみると結構違いますね

疑似ハイレゾは、あくまで元のmp3に「ハイレゾならこういう音域の音もあるだろう」という音を予測して追加するわけです。

一方で本物のハイレゾはそもそも編曲の時点で違うのか伴奏の音量がわずかに控えめでボーカルの歌声がより聴き取りやすくなっています。
それでいて伴奏もキレの良い音になっていて音が一つ一つはっきり聴こえてきます。

個人的に一番違いが感じられたのがスネアドラムの音で、本物のハイレゾはしっかりと響いた音が聴こえるのに対してmp3だとそれがほとんど聴こえないんですよね。
疑似ハイレゾはその響きをそれなりに再現しているのですが、本物に比べるとやや汚い音です。

ちなみにHA-FX26で本物のハイレゾ音源を聴いたところスネアドラムの響きは感じられませんでした。


DSEE-HXのまとめ・確かにmp3をハイレゾっぽい音に変えてくれる
・ただし本物のハイレゾとはやっぱり別物
・本物のハイレゾ音源が販売されているなら買った方が良い
・安価なイヤホンではノイズが増すだけなのでOFF推奨

DSEE-HXは確かにすごい技術だなと思いましたが、入手できるなら本物のハイレゾ音源を購入したほうがやはり良いですね。
ただし、古い曲をハイレゾで販売しているものはDSEE-HXと同じように補正されたものやアップサンプリングしただけの疑似ハイレゾ(ニセレゾ)なのでそういった曲を買うくらいならDSEE-HXで楽しんだほうがいいかも。

ちなみにClariSのSINGLE BEST 1stのハイレゾ音源は周波数解析を行ったところ間違いなく本物のハイレゾなので安心してください。

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ハイレゾを聴くならLDAC一択

SONYのハイレゾ対応ウォークマンの売りの一つであるLDAC
Bluetoothヘッドホンで聴くことをメインとしてる僕にとってはこの機能が一番気になるところでした。
ありがたいことにこのNW-S45は伝送コーデックにaptX HDも対応しているのでこれも聴き比べることができました。
今回比較に使用した曲も再びClariSの「コネクト」で320kbps、44.1kHz、16bitのmp3音源と96kHz、24itのハイレゾ音源。
使用したイヤホンはWI-H700。こいつもaptX HDに対応しているので丁度良かったです。

mp3の伝送コーデック比較

まずはどのBluetooth機器でも対応しているSBCで比較してみました。
聴いた感じは“特別悪い”というほどでもないですが、NW-M505で聴いたような臨場感を失った音になってしまいました。
このコーデックで聴くならスマホ使えばいいと思います。

次にaptXで聴いたところ、有線と同等の音質で聴くことができました。。
ちなみにaptX HD、LDACでも違いがわからないので、mp3を聴くのならaptXで十分です。

ハイレゾ音源の伝送コーデック比較

SBCはmp3と変わらず臨場感を失った音になってしまいました。

次にaptXで聴いたところ、mp3音源を有線で聴いたような音に近い感じがしました。
調べてみたらaptXは384kbpsに圧縮されて送信されるということなので、mp3と同じレベルに圧縮されて送られているんですね。
そりゃ似たように感じるわけだ。

次にaptX HDで聴いたところ、ハイレゾを聴いた時に感じたスネアドラムの響きも感じることができました。
しかしなんだか低域ががっつり削られているような…?

最後にLDACで聴いたところ、スネアドラムの響きを感じることができたし低域も迫力のある音が聴こえました。
やっぱりaptX HDだと低域削られてるよ。
ハイレゾ音源を聴くならLDAC一択ですね!


伝送コーデック比較結果まとめ・SBCは臨場感を失った一段階落ちた解像度の音
・mp3音源を聴くならaptX以上であればほとんど一緒
・ハイレゾ音源を聴くならLDACが一番いい

まとめ

・音質は従来製品から確実に進化している
・DSEE-HXはハイレゾっぽくしてくれるけどやっぱり別物
・Bluetoothで聴くならaptX以上のコーデックが必須
・Bluetoothでハイレゾを楽しむならLDAC必須

といことでNW-A45のレビューでした。
有線で音楽を楽しむのであればもっと高級機種を選んだり他メーカーの製品を選ぶという選択肢も出てくるかもしれません。
しかし、Bluetoothヘッドホンで音楽を楽しむのであれば「ハイレゾ対応」「aptX HDとLDAC対応」を満たしていてなおかつ手頃な値段である本機は、現状最適なミュージックプレーヤーだと思います。
容量についてはmicroSDカードで128GBまで追加できるため、特にこだわりがなければ16GBのモデルで十分でしょう。

今日はそんな感じで
ではでは~