炭鉱夫は止まらない

世の中に眠った役立ちそうなものを探して綴る雑記

【祝☆アニメ化】「転生したらスライムだった件」がめちゃくちゃ面白くてオススメ

ついにアニメ化が決定した人気作品「転生したらスライムだった件」(以下転スラ)は小説家になろうで連載されていたいわゆる“なろう小説”です。

なろう作品と言えば“何はともあれ異世界転異or異世界転生”、“一方的に敵を蹴散らすチート能力”、“とりあえず出会う女の子は皆惚れるハーレム展開”などが特徴にあげられるでしょうか。
最近はこうした作品があまりにも多過ぎるため、正直飽き飽きしている人も少なくないのではないでしょうか。
僕はもうお腹いっぱいです。

今回紹介する転スラにもこれらの要素は多分に含まれています。
しかし、絶妙なさじ加減によってこれらの要素を不快に感じさせません!

ということで今日はそんな「転生したらスライムだった件」の魅力をご紹介をしようと思います。

転スラってどんなお話?

あらすじ

主人公の三上悟(37)は、大手ゼネコン勤務のサラリーマン。
ある日通り魔に襲われそうになった会社の後輩を庇った結果、包丁で刺されて死亡してしまう。
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[転生したらスライムだった件(1) (シリウスコミックス) より]

目覚めるとそこは暗い洞窟の中で、しかも身体はなんとスライムに!
異世界に魔物として転生してしまった三上悟は、洞窟に封印されていたドラゴン“ヴェルドラ”と友達になり、新たに“リムル”という名を授かる。
ヴェルドラの封印を解く約束をしたものの洞窟の外に出たい三上悟改めリムルは、転生時に獲得したスキル“捕食者”によって本人の了承のもと、ヴェルドラを自身の胃袋に取り込むことにする。
しかし、リムルの胃袋に収納されたことで封印されていたはずのヴェルドラの気配がこの世から消えてしまい、世界中がパニックに!
これを好機と見る者、警戒する者、各勢力が動き出すことで世界の均衡が崩れ、騒動の中心であるリムルは様々なトラブルに巻き込まれてしまう。

目的は人と魔物が共存する街づくり

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[転生したらスライムだった件(2) (シリウスコミックス)より ]

自身が誕生した洞窟を旅だった主人公リムルは、ひょんなことからゴブリン族の主となってしまいます。
なんだかんだとお節介焼きなリムルは彼らの面倒を見ていくことにするのですが、そこは元ゼネコン勤務のサラリーマン、衛生的で機能的な街づくりを目指していきます。
とは言えいくらゼネコンに勤務していたって建物を建てる技術自体はありませんし、ものづくりの技術もありません。
そこでドワーフを初めとした様々な種族を仲間に引き入れていき、日本での記憶と大賢者の機能をフル活用してどんどんと街の技術を進歩させていきます。

こうして魔物としては前代未聞の高度な街を作り上げていくわけですが、そんなものが身近に作られたら人間からしたら恐怖ですよね。
しかし、見た目はスライムという魔物のリムルですがその心は人間。
人と魔物が共存していきたいという宣言をしていきます。

魔物が街を作るというだけでも珍しい中、人間との共存を望むなんていう突拍子もない目標は果たして受け入れられるのか!?

転スラの魅力

お約束のチート能力

なろう小説らしく主人公のリムルは転生時にいくつものチート級の能力を入手します。
その中でもリムルを強者たらしめている能力が“捕食者”と“大賢者”の二つ。

・捕食者
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[転生したらスライムだった件(1) (シリウスコミックス) より]

いかにもスライムらしいスキルですが、その能力は取り込んだモノを胃袋に収納したり(四次元ポケット的な)、取り込んだモノに擬態できたり、更には取り込んだモノの能力を獲得したりとチートと呼ぶに相応しい能力となっています。
しかも取り込めるのは“モノ”に関わらず、魔法なんかも取り込んで解析できちゃいます!
この能力によってリムルは戦う度に強くなっていくわけですね。

・大賢者
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[転生したらスライムだった件(1) (シリウスコミックス) より]

「30歳まで童貞だったら魔法使いになれる」という俗説を皮肉って「このままいけば大賢者も夢じゃない」などと考えていたら修得したもう一つのチートスキル。
知覚速度を1000倍に加速したり対象の解析や鑑定を行ったり、この世界の隠されていない情報を網羅したりと超便利機能が盛りだくさんの能力となっています。
これだけでも十分チート級の能力ですが、このスキルの最大の特徴は “自立型スキル”であるという点です。
このスキルとは会話が出来たり、持ち主に必要な情報を自動で教えてくれたりするので、能力というよりも超有能なサポートキャラみたいな感じです。
言語の問題などもこのスキルが解決してくれるので、異世界という舞台での色々面倒な部分は全部こいつが解決してくれます。

最初は見た目スライムだけど…?

本作の最大の特徴はタイトルにもある通り、主人公がスライムであるという点にあります!
手足も表情もないスライムの姿で物語が進行していく、というとシュールで興味深いところではありますが、正直出オチ感は否めないのではないでしょうか。
そんな問題は、捕食者というスキルによって比較的序盤に解消されてしまいます。
というのも、“ある事件”をきっかけに人間を取り込むこととなり人の姿を取れるようになるのです。
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[転生したらスライムだった件(2) (シリウスコミックス) より]


可愛い美少女!と思いきや男でも女でもない中性だったりするので注意(何を)。
物語の途中からは基本的にこの人間スタイルがメインになってきます。
人によっては「全然スライムじゃないじゃん!」なんて思うかもしれませんが、正直ずっとスライムで続けられても微妙じゃないですか…?
いや、絵を描く方からしたらスライムのほうが圧倒的に楽でしょうけどね。

無双だけじゃない!ほど良い緊張感も味わえるバトル

なろう小説と言えばスマホ太郎や賢者の孫のように最強能力で相手を一方的に倒すような無双展開が一つの特徴です。
本作もそうした無双展開はバッチリ備えているのですが、それだけではないのが面白いところ!
序盤は確かに主人公の能力がチートのように思えるのですが、この作品はインフレ具合が凄まじいので主人公レベルのスキル持ちはバンバン登場してきます。
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[転生したらスライムだった件(6) (シリウスコミックス) より]

まぁそもそも初っ端に登場するヴェルドラがリムルでは手も足も出ないような強さだったりするのでね。
どちらかというとハイスクールD×Dのような感じで「強い能力を手に入れた!」、「もっと強い能力を持った敵が現れた!」みたいな。

圧倒的な力で一方的にねじ伏せるような無双戦もちょこちょこ入ってきますが、そんな中で自分よりも強者に苦戦したり、創意工夫で倒したりとほど良い緊張感と爽快感の両方が楽しめる作品だったりするのは本作の魅力の一つと言っていいでしょう。

細かく作られた世界観

こういうファンタジー作品において設定というのは非常に重要な要素です!
多くの凡作は設定がおざなりだったり逆に設定ばっかり凝って肝心のお話がつまらなくなってしまうんですが。
本作は物語としても非常に面白い中、世界観や設定などにもしっかり気を配った作品となっています。

例えば、主人公が入手した能力。
異世界に転移すると何かと強力な力を手に入れたりする作品は多いですが、神様から与えられたとか主人公だけが特別贔屓されるような作品が多いのではないでしょうか。
本作はそのあたり法則がちゃんと決まっており、異世界に転移してくる際、次元の狭間にて大量に魔素(魔法の源みたいなもの)を浴びるためというのがあります。
転移が成功した者はその有り余る魔素によって心の内に秘めた願いをスキルという形に変換されるのです。
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[転生したらスライムだった件(2) (シリウスコミックス) より]

そのため、異世界からの転移者は漏れなく強かったりするわけです。
しかも異世界からの転移者はちょこちょこ登場するため、実は主人公は能力だけで見ればそんなに特別じゃなかったりするんですよね。
そんな設定でありながら主人公の魅力を上手く引き出しているのが本作の面白さでもあったりするわけですが。

その他にも人間界の文化設定や魔物の生体について、魔法と自然現象の違いなど読めば読むほどちゃんと考えているんだなぁという設定がどんどん出てきます。
どんな設定が用意されているのか、ぜひ読んで確認してみてください。

漫画版、web小説、書籍版どれがオススメ?

転スラは元々は小説家になろうに投稿されていたweb小説ですが、現在はそれを改編した書籍版、そして川上泰樹さんによる漫画版が出版されています。

個人的にオススメなのは断トツで漫画版です!

単純に絵が凝っていて上手いというのもありますが、内容も冗長気味な原作を非常に上手くまとめており、話が分かりやすく、テンポも良いです。
自分のことを原作厨だという自覚がある僕が思うのだからその完成度は非常に高いと言っていいでしょう。
しかも巻末には原作者によるヴェルドラ視点の短編が連載されています!
これは小説を読んで気に入った人も手を出すかないです!

しかし、残念なことに漫画版の物語は原作からするとまだまだ序盤です。
そのため、先が気になって仕方ないという人も少なくないのではないでしょうか?
そんなせっかちさんは書籍版に手を出してみましょう。
web小説は今も公開され続けているため無料で読むことができるのですが、少しずつ投稿していくというスタイルのせいかやや淡々としており、文章も読みやすいとは言い難いです。
一方で書籍版はweb版に比べて物語の大筋は変わらないにしても展開には結構違いがあり、文章の読みやすさも完成度も書籍版の方が圧倒的に上です。

ということでこれから転スラに手を出そうとするならまずは漫画版か書籍版小説を手に取ってみてください。

終わりに

なろう小説の中でも人気作だったにも関わらず、なかなかアニメ化がされなかった転スラですが、ようやくアニメ化が決定して嬉しい限りです!
2018年3月時点では漫画版は8巻まで出ていますがまだまだ序盤、書籍版の3巻辺りの進み具合となっています。
書籍版は12巻まで出ていますが、進行具合は7割くらいといったところでしょうか。
既にweb小説とは展開が変わってきているので、果たして同じ終わりを迎えるのかはわかりません。

今日はそんな感じで。
ではでは~