炭鉱夫は止まらない

世の中に眠った役立ちそうなものを探して綴る雑記

【感想】ありふれた職業で世界最強の内容と原作・マンガの違いとか

「ありふれた職業で世界最強」は小説家になろうで連載されている作品で、いわゆる俺つえー系です。

タイトルに“ありふれた職業で”と書かれていることから最弱職だけど工夫して強くなることを期待している人は多いと思います。僕も思いました。

しかし、実際のところはステータスを上げてパワーでねじ伏せるタイプのお話です。
その辺りを期待している人は思考を切り替えるか他の作品を読むことをおすすめします。

ということで今回は「ありふれた職業で世界最強」の紹介を書いていきます。
かなりネタバレを含むのでご注意ください。

あらすじ

>>“いじめられっ子”の南雲ハジメは、クラスメイトと共に異世界へ召喚されてしまう。
つぎつぎに戦闘向きのチート能力を発現するクラスメイトとは裏腹に、錬成師という地味な能力のハジメ。
異世界でも最弱の彼は、あるクラスメイトの悪意によって迷宮の奈落に突き落とされてしまい――!?
脱出方法が見つからない絶望の淵のなか、錬成師のまま最強へ至る道を見つけたハジメは、吸血鬼のユエと運命の出会いを果たす――。
「俺がユエを、ユエが俺を守る。それで最強だ。全部薙ぎ倒して世界を越えよう」<<
※ありふれた職業で世界最強特設サイトより

ざっくり内容を説明すると、

現実でいじめられっ子だった主人公は異世界へ行ってもなぜか一人だけ無能だったのでやっぱりいじめられっ子になるうえに同級生に殺されそうになり、迷宮の奥底に落っこちちゃう。
でも迷宮で魔物食べたら勇者なんて屁でもないくらい強くなれたので自力で脱出することに。途中で封印されていた吸血鬼の美少女ユエと出会い、なんかよくわからんうちに相思相愛になってた。
迷宮を脱出した二人は地球に帰る術を探すべくクラスメイトを無視して旅に出まーす。
主人公はユエ一筋だけど、行く先々で勝手に美少女たちが惚れてくるので気づけばハーレムが築かれていっちゃいました。

そんな感じです。

web版で作者自身が述べていますが、見切り発車で始まった作品なので先の展開が全く読めません。
例えば迷宮脱出まではシリアル路線ですが、脱出後はギャグ路線に変わったりします。

物語にさり気なく入れられた情報は果たして伏線なのか、はたまた作者のただの気まぐれなのか。それは先を読み進めるまで決してわからないというミステリートレインのような楽しみ方ができます。

彼岸島を読んでいるときのような暖かい気持ちで読み進めましょう。

キャラ紹介

雨雲ハジメ

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アニメ・ゲーム好きのオタク高校生で本作の主人公。
顔も勉強も運動も平凡で何の特徴もないのが特徴だが、白崎香織から好意を抱かれているせいで学校ではいじめられっ子。
 
根はすごい優しい人間で困っている人を見たらついつい助けちゃうお人好し。

↑っていう設定は途中から完全に無くなります。
迷宮で地獄を見たハジメは気が狂ってしまい、生きる為に邪魔な存在は全て容赦なく排除する鬼畜キャラに豹変します。
優しいハジメ少年はどこへやら、口調はなぜか「僕」から「俺」へと変容し、絡んでくる冒険者や帝国の人間には持ってる銃でぶっ飛ばす。

その鬼畜っぷりは美少女だろうと関係なく発揮され、助けてくれと頼ってくるヒロインも投げ飛ばしたり電撃を浴びせたり(笑)

でもなんだかんだヒロインズのお願いは聞いてあげちゃうハジメくんはやっぱり優しい。


ところで鬼畜ってどういう意味だっけ?

ユエ

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迷宮の奥深くに長いこと封印されていた吸血鬼でメインヒロイン。300歳以上のいわゆるロリババアで、“再生”の能力によって見た目がこれ以上老けない。
ハジメと同じく“裏切られた”ということで共感を得てハジメをブレ…心変わりさせた最初の一人。
この後もユエが言えば大体ハジメの行動方針は変わる。

本名を捨てており、ハジメによってユエという名前を授けられる。金髪と赤い瞳から月を思い浮かべたと言っているので、たぶん月姫でも想像したんだと思う。

手酷い裏切りによって封印されてたけど出会ったばかりのハジメは超信用しちゃう。
そして読者の気付かぬうちにハジメと相思相愛になっている。

ちなみに20歳くらいで封印されていた処女のはずなのになぜか妖艶らしい。何もない場所に封印されてたはずなのに!

シア

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亜人で兎人であるハウリア族の少女。通称ウザうさぎ。
ハジメの行く先を思いっきり邪魔しているにも関わらず排除されず、とにかく絡みまくることでハジメを心変わりさせて一族を助けてもらう。
殴られたり電撃を浴びせられたりとかなり雑な扱いを受けているにも関わらずなぜかハジメに好意を抱き、見事ハーレム枠の一人となる。

魔物に襲われているところをハジメに救ってもらうのだが、ステータス平均1万越えのハジメの攻撃にびくともしないのであれば自力でどうにかできたんじゃね? とかつっこんではいけない。

未来が見えるという反則級のスキルを持っているだけでは飽き足らず、軽く訓練することで軽く勇者の10倍は強いハジメよりも強い圧倒的な攻撃力を得る。
こんな化け物レベルの強さがゴロゴロ存在するのによく人類生き残ってるなーという気持ちを抱かせてくれる。

白崎香織

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クラス一の美少女で成績も優秀。
ある時見かけたハジメの優しい一面に惚れてからハジメにやたら絡んでくるようになった。
そのせいでハジメがいじめられることになる。つまり諸悪の根源。

冒頭ではメインヒロインかと思わせておきながら、ヒロインの中でも下っ端でハジメからの扱いもかなり雑。
弱くても優しいところに惹かれたはずなのに力で思い通りにしようとする今のハジメにも相変わらず想いを抱き続けるよくわからない子。
本人曰く「ユエ達の様子を見れば本質的な優しさは変わっていないんだわ」とのこと。ものすごいポジティブシンキング。

主人公の最強っぷりがヤバい

タイトルにある通り世界最強レベルに強くなるハジメですが、どれくらい最強なのかを披露していこうと思います。

そもそも職業が強いぞ錬成師!

ありふれた職業である錬成師。
職業説明では異世界人以外でも普通にいる職業で、基本的には鍛冶士になる人がほとんど。戦闘には不向きで最弱職とすら言われている。

ところがいざ戦ってみるととんでもない。
ステータス300越えの勇者や騎士団長が満足に傷つけることもできない魔物ベヒモス相手に、ステータスがたったの12であるハジメでも錬成で動きを封じるというとんでもパワーを発揮します。
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ぶっちゃけ錬成師を大量に集めれば簡単に人間界を征服できると思います。

そして本職のアイテム作成のほうはもっとヤバい。
特に原理や仕組みを知らなくても銃が作り出せちゃいます!
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しかも拳銃サイズにレールガン機能を取り付ける等、地球では実現不可能なものまで作れちゃう。
そしてなんとその威力は対物ライフルの10倍!

なんかもうほんと細かいことは気にするな感がすごい。

勇者の限界を余裕で超えるステータス

この世界のトップクラスの人間のステータスが300~400程度(騎士団長基準)。
そして勇者の成長限界が1500。

そんな中、主人公であるハジメのステータスは迷宮突破時点でなんと1万超え!
最高に鍛えた勇者よりも10倍強い!

小学生でもわかる強さ!

主人公やべー!!

なんで銃で戦っているのかわからないレベル。
たぶん適当に石投げた方が強いと思う。

銃と魔法が飛び交うド派手なバトル

本作の魅力はなんと言っても主人公たちの圧倒的な力から繰り広げられるド派手なバトルでしょう。

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主人公のハジメの戦闘スタイルは基本的に銃での射撃戦です。
メイン武器はドンナー&シュラーケンという電磁加速機能付きの拳銃。
超強化された銃で大抵の魔物は1発で蹴散らしちゃいます。

それでも倒れないような敵にはパイルバンカーなど更に強力な武器を使うことも。


一方のヒロインであるユエの戦闘スタイルは魔法。
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『緋槍』や『蒼天』など派手な魔法で敵を撃ち滅ぼします。

ちなみに勇者も勇者らしいド派手な剣技があったりします。
が、鍛えられたハジメの素手で弾かれてしまう程度なのでなんとも…。

媒体による内容の違い

「ありふれた職業で世界最強」は現在web小説と書籍版小説とコミックあります。

web版と書籍版の違い

「小説家になろう」に投稿されているweb版と書籍版ですが、誤字脱字の修正など細かいところは別ですが、基本的に違いはありません。
せいぜい章の冒頭を小説向けに改変しているくらいで、少なくともストーリーには違いは無いです。

ただし、各巻にはweb版には無いお話が追加されています。
読まなくともストーリーには影響がないようなものですが、書籍版でしか読めない内容です。
この作品が気に入ったなら書籍版を購入することをオススメします。

コミックについて

マンガ化にあたっても基本的に小説と内容に大きな差はありません。
尺の関係で省かれている表現などはありますが、概ね小説通りに進んでいきます。

この作品の魅力の8割くらいがバトルなんじゃないかと僕は思っていますが、書籍版にはその重要なバトルの挿絵がありません!
銃を構えたハジメとか魔法を放ってるユエとかそんなものは(ほぼ)存在しません。

誰もが望んでいるであろう銃撃戦とか魔法戦がコミック版ではド派手に描かれているので、バトルが好きならコミック版を購入した方がいいでしょう。

終わりに

「ありふれた職業で世界最強」は以下のような人に向いていると思います。

・とにかく主人公の無双が見たい!
・リア充に対するざまぁが見たい!
・ハーレムハーレム!

逆に秀逸なストーリーとか綿密に描かれた人間関係とかそういうのを期待している人には全く向かないので注意してください。