炭鉱夫は止まらない

世の中に眠った役立ちそうなものを探して綴る雑記

YDA138 デジタルアンプ自作キットの作り方とか感想

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ノースフラットジャパンという会社が出しているデジタルアンプの自作キット『YAMAHA製 YDA138 デジタルアンプ自作キット リターンズ 2018-2019 Ver.』を購入してみました。

実際に作ってみた感想としてはそこらの中華アンプより間違いなく音が良いけど、キットとして見ると説明があまりに不親切だなという感じでした。

YDA138 デジタルアンプとは

YDA138デジタルアンプとは、その名に入っている通りYDA138というICを使用して設計されたデジタルアンプです。

YDA138は楽器やオーディオ機器で有名なあのYAMAHAが開発したオーディオ用パワーアンプICです。
安価でありながら音が良く消費電力も少ないと評判で、パソコンのマザーボードなんかにも使われたりしているみたいですね。

そしてそのYDA138を使ってアンプの設計を行ったのがノースフラットジャパン(NFJ)という会社です。
NFJはFX-AUDIOというブランド名でオーディオ機器を出しており、シンプルな構成ながら安くて高音質と非常に評価が高い会社です。

そんなNFJが設計し、YAMAHA製のICを使って設計されたYDA138デジタルアンプの音質が悪いはずがありません。

キットの組み立て

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YDA138 デジタルアンプ自作キット リターンズ 2018-2019 Ver.の部品構成は上記写真のようになっています。
赤いプリント基板が特徴的ですね。
IC含め表面実装部品は全て実装済みで、コンデンサーやコイル、端子などごく一部の部品のみをはんだ付けするばOKです。

部品のはんだ付け難易度自体は低いです。
ちょっとでもはんだ付けの経験があれば余裕ですし、例えはんだ付けが初めてだとしてもそう簡単に熱で壊れない部品ばかりです。
注意点と言えば似たような見た目の部品が多いため、部品を載せる場所と向きにさえ注意すれば大丈夫でしょう。

とりあえずややこしい部品であるコンデンサーの把握をしておきましょう。
このキットには全部で6種類のコンデンサーを実装する必要があります。

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左上から
・Panasonic製FJ 16V 680μF
・Panasonic製FJ 6.3V 1000μF
・ELNA製 RBD BP 25V 2.7μF
・ELNAオーディオ専用最上位グレードR3A 16V 10μF

左下に行って
・ITWメタライズドフィルムコンデンサMILSPEC品 0.01μF
・アークトロニクス製メタライズドフィルムコンデンサ 63V 0.22μF

上段は全て電解コンデンサーです。極性があるため実装の向きには注意しましょう。
基本的には足が長い方が+、短い方が-です。
ところが足の長さがどちらも一緒のものがありますよね。こういうのはラインが入っている側が-です。うっかり足を切ってしまった時なんかにも役立つので覚えておきましょう。

あとちょっとややこしい部品として、コイルがあります。
特にこのキットに付いてくるコイルは何も書かれていないためパッと見なんだかわかりません。この黒くて得体のしれない物体はコイルなので実装場所を間違えないようにしましょう。

これらをちゃんと理解しておけばあとは簡単。セオリー通り背の低い部品から順番にはんだ付けしていきましょう。
背の低い部品から取り付けた方が良いのは、はんだ付けする際に基板を裏返した時、部品を安定させやすいからです。
背の高い部品を実装した後に背の低い部品を載せると、基板を裏返した際に基板から部品がスポっと落ちてしまいかねないですからね。

部品を載せ終えるとこんな感じになります。
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セッティング

組み立て終えたら早速音出しをしたいですよね。音楽を聴くためのセッティングをしていきましょう。

まずはアンプの機能を決定するためにヘッダーピンにジャンパーピンを取り付けましょう。
とりあえずよくわからなければ以下の写真のようにセッティングすればOKです。
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増幅率を変えたければJ9を変えてみてください。
ただし、36dBは音が歪み始めるのでオススメしません。

次に各機器と繋げていきましょう。
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・ターミナルブロックにスピーカーケーブルを繋いで出力
・RCAジャックにオーディオ機器から音楽を入力
・DCジャックには電圧12V、電流1A以上のセンター+のACアダプターを

ターミナルブロックの圧着力はあまり強くないので、太いスピーカーケーブルだと繋げるのが大変かもしれません。

音質の評価とか

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さてさて、セッティングが完了したら早速音出しをしてみましょう。

おぉ! 音の輪郭がはっきりするっていうのはこういうことか!
比較となるアンプが中華製の安物なので参考になるかわかりませんが、中華製アンプは中音域がボヤっとしていたのが、YDA138アンプでははっきりくっきり音がわかるようになりました。

正直なところ、YDA138アンプと比較することが無ければ安物の中華アンプでも満足していたんですよね。
恐らく大多数の人が僕と同じような感覚なのではないでしょうか。同じスピーカーに同じ音源でアンプだけ変えるなんてことを経験した人はそう多くないでしょう。

アンプの力による音質の差を知ってしまったことは果たして良いことなのか、個人的には悩みどころです。
オーディオの沼にハマってしまいそう…。

悪かった点

値段と音質を考えると非常に優れた本品ですが、いくつか気になった点があります。

回路図が無い

本品は電子工作に慣れた中級者向けというコンセプトです。
そのため、不親切なところがあるのは仕方ないと思うのですが、それにしても回路図も何も無いというのは困りものです。
回路図が無いので基板上に書かれた使わないピン穴が何なのかわからないですし、自分で部品を交換するにしても効果的な選定が出来ません。

必要な電源がわからない

本アンプを駆動するために必要な電源がどこにも書いてありません。
百歩譲って回路図があればまだなんとかわかる可能性もあるのですが、それも無いため必要な電圧・電流、そして極性がさっぱりわかりませんでした。
一応色々調べることで12Vを印加すればいいというところまではわかりましたが、必要な電流がわかりません。

ひとまず、12V、1A以上流せるセンター+のACアダプタを使えば問題なさそうです。

部品がわかりにくい

今回僕が組み立てたのは2018-2019 Ver.ということでコンデンサーがこだわりの部品に変更されたようです。
その結果、あまり見かけない部品が使われています。
たぶんこれだろうな、というのは何となくわかりますが、流石に見たことない部品の種類と容量を推測しろというのは不親切すぎるなぁと思いました。

ターミナルブロックが使いにくい

スピーカーケーブルを繋ぐターミナルブロックですが、保持力が弱く正直使いにくいです。
締めるにも-ドライバーが必要ですし。

これなら自分で用意したスピーカーターミナルを線材で繋いだ方が使いやすそうです。
というか市販品も自作品も普通はスピーカーターミナルを使っていますよね。

終わりに

ということで自作アンプキット『YAMAHA製 YDA138 デジタルアンプ自作キット リターンズ 2018-2019 Ver.』を作ってみた話でした。
高級オーディオアンプに比べてどれだけ優れているのかはちょっとわかりませんが、Amazonで売られている安価な中華アンプに比べるとずっとクリアで高音質でした。

単純に高音質なオーディオアンプが欲しければ高価な商品を買えばいいわけですが、本品の良いところは作る楽しみが味わえるところですね。
回路図とかないので不親切な作りではありますが、電気部品に詳しい人であれば部品を自分好みに変えるなんてこともできたりしますよ!