炭鉱夫は止まらない

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性能に差はあるのか?複数のリストバンド型活動量計を同時装着して比較してみた

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運動量だけでなく、心拍数や睡眠の質などさまざまな値を計測することができるようになった活動量計。Fitbitやガーミン、ソニーやEPSONなどから多種多様な商品が続々と発売されています。

しかし種類が多すぎてどれを買えばいいかわからないですよね。
そこで今回は、高級機種、中価格機種、格安機種の3種類のリストバンド型活動量計を同時に装着し、その性能の比較を行ってみました。

実験に使用した活動量計

現在発売されている活動量計は数千円から数万円までと価格が幅広くあるアイテムです。一見するとどれも同じような機能を持っているように見えますが、果たして価格によって性能に差はあるのか、以下の3種類を使用してみました。

Fitbit Alta HR

販売価格が2万円近くする高級機種として、フィットネス製品大手メーカーであるFitbitから出ているFitbit Alta HRを使用しました。
機能としては高級機らしく、心拍測定、睡眠測定、自動エクササイズ認識と十分なものが揃っています。

MISFIT SHINE 2

販売価格が1万円前後の中価格機種として、ファッションを強く意識したウェアラブルコンピューティング製品のメーカーであるMISFITから出ているSHINE 2を使用しました。
この製品の最大の特徴はリストバンド型としてだけでなく、胸や腰、脚に装着することで最適な測り方ができることです。が、今回はリストバンドとして使用して比較を行います。
機能としては心拍測定機能がないためちょっと見劣りますが、睡眠測定機能は搭載しています。
この製品はわずらわしい充電を不要としていることで、コイン型電池で最大6か月持つことです。コイン型電池は心拍機能を持つ機種では真似できない判断ですね。



Xiaomi Mi Band 2

販売価格が3000円前後の格安機種として、格安スマートフォンで有名な中国メーカーであるXiaomiから出ているMi Band 2を使用しました。
格安機種にも関わらず心拍測定、睡眠測定、IP67の防塵防水性能と高級機種にも劣らぬ性能を持っていることで話題になりました。
しかも省電力設計により最大20日ほど電池が持続します。

1か月同時装着による機能の比較

さて、先ほど紹介しました3種の活動量計を同時に装着して1か月間、日常生活を記録してみました。
今回注目したのはメインの機能となる運動量と睡眠の質の測定になります。

運動量測定の比較

活動量計の最もメインの機能となるのは何よりも運動量の記録。その実力を比較してみました。

まずはFitbit Alta HRのとある日の測定記録です。
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この日はいつも通り会社に通っていたため、通勤時間である朝と夜に自転車に乗っています。
また、この日は夕飯を外食で済ませたのですが、お店を探すのにちょっと歩いたためウォーキングの時間が入っています。
ちなみにFitbitは10分未満の運動は記録されません。
この日の運動量は9125歩、6.31kmを移動し、消費カロリーは2496kcalでした。


次にMISFIT SHINE 2の測定記録です。
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残念ながらサイクリングは記録されていませんね。自転車に乗っているという判断は非常に難しいと言われており、心拍測定機能のないこの機種では認識できないようです。(脚に装着すれば測れるらしい)
一方でこの機種は運動の判断に10分という制約がないため、数分の歩きも記録されていました。
この日の運動量は9202歩、6.44kmを移動し、消費カロリーは2354kcalでした。


最後にXiaomiのMi Band 2の測定記録です。
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なんというか、無駄に細かい記録結果ですね。通勤時のサイクリングは中途半端に歩きと認識されていたり軽い運動と認識されていたりと滅茶苦茶です。違う日の記録ですが、料理を作っているときの動きも軽い運動として記録されていました。
過ぎたるは猶及ばざるが如しと言われますが、この記録データにはあまり意味がないように思えます。
この日の運動量は6623歩、4.5kmを移動し、消費カロリーは138kcalでした。

・運動量のまとめ
歩数の計算については正直どれも実際よりも多いのではないかという印象です。
以下のグラフは時間毎の歩数です。
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グラフの形状はどれも似ていますね。共通していることとして自転車をこいでいる時も歩数が追加されているということ、そして食事の動作もなぜか歩数にカウントされているということです。食事がカウントされてしまっているのは利き腕に装着してしまっているというのもありますが。
リストバンド型活動量計は腕に装着するという性質から、歩数のカウントが実際よりも多くなってしまいがちということがわかりました。
その中でMi Band 2だけ少な目に記録されているのはちょっとわかりませんが…。グラフの傾向は似ているんですがね。
試しに100歩歩いた時のカウントを調べたところ2~3歩のズレはあったもののしっかりとカウントされていたので、歩行を行っている時の記録は問題なさそうです。
いずれにせよ、単純に歩数を測定するのならば従来の万歩計のような腰に装着するタイプを利用した方が正確だと思います。
その点を考慮するならSHINE 2は腰や胸など手首以外に装着出来るので良いかもしれません。

リストバンド型活動量計の真価は手首に装着するが故にできること。つまり、心拍の測定とセットで活用するところにあるように思えます。
歩数計として考えると万歩計のほうが正確ですが、Fitbitは心拍測定を上手く活用することで運動の種類を特定したり脂肪燃焼レベルを判断してより正確な“運動量”を測定しようとしています。

残念なことにMi Band 2は日中の心拍を測定していないようで、このような運動量の測定は行っていません。
せっかくの機能も上手く活かせてないですね。

睡眠の質測定の比較

同じ睡眠時間でも身体の疲れの取れ具合は変わるということで、睡眠の質に興味がある人が増えていると言われています。
機種によって睡眠測定に差はあるのか、その実力を比較してみます。

まずはFitbit Alta HRのとある日の睡眠記録です。
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この機種の特徴として睡眠の状態を4種類に分類しているところです。最近ではこの深い睡眠が特に重要と言われており、それにしっかりと対応しているということですね。
かなり細かく変化が記録されており、何度か短時間覚醒していることが伺えます。
基本的に目覚めたという記憶はないのですが、朝7時頃の記録については一度目覚めた後、布団で再びまどろんでいた時の様子を記録されていたようです。
こちらの睡眠の質については概ね正しいと言ってもいいのではないでしょうか。


次にMISFIT SHINE2の睡眠記録です。
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こちらは一般的な浅い睡眠、深い睡眠、起床の3種類しかありません。
Fitbitと比べると、短時間の覚醒とレム睡眠は浅い睡眠に、それ以外を深い睡眠に分類しているようですが、内容はそこまで乖離していないように見えます。
加速度センサーだけでここまで記録できているのは凄いです。
ちなみに起床時間がやや早くなっているのは、一度目覚めた際にうだうだとしていた動きを目覚めと認識してしまったからでしょう。二度寝は記録されないようです。


最後にXiaomi Mi Band 2の睡眠記録です。
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こちらも分類の仕方はMISFITと同じになります。
SHINE 2と比べてみると、Fitbitで言う浅い睡眠をどう分類するかに違いがありますね。これはどちらが正しいとは言い難いです。
ただ一点気になるのは朝7時頃に一度目覚めたものが特に記録されていないというところでしょうか。

・睡眠のまとめ
大まかな睡眠時間を知りたいというだけであればどの活動量計もそれなりには測定できていそうです。
ただ、睡眠中の“目覚めた状態”を測定できているのはFitbitだけでした。他の二つも起きている状態を表す表記はあるのですが、余程のことがない限り反映されることはありません。
睡眠の質を改善したいということであれば、より細かく記録される高級機種を使用したほうが良いのではないでしょうか。

まとめ

一見すると同じようなスペックを持つ活動量計でも、実際に使用してみるとその測定結果には大きな差がありました。
それはソフトウェアというスペック上ではわからない部分です。
活動量計に何を求めるかにもよりますが、しっかりとした運動や睡眠の質の記録を行いたいのであれば高級機種を購入したほうが良さそうです。
一方で歩数が測れればいい人は割り切って万歩計タイプのものを購入した方がいいかもしれません。

いずれにせよ、それぞれ値段相応の機能というのは間違いなさそうです。
安物買いの銭失いとならないようしっかりと考えて購入してください。


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