炭鉱夫は止まらない

世の中に眠った役立ちそうなものを探して綴る雑記

小説家になろう作品の読んだ感想メモ【ファンタジー系】


最近、小説投稿サイト『小説家になろう』に投稿されている作品を読むのにハマっています。
通勤時とかちょっとした暇な時間とかに気軽に読めるし、何より基本的に文字オンリーなので通信が非常に軽いので格安sim相性が良いのです。

そんなこんなで暇を見つけては読んでいたら、読み終えた作品がだんだんと増えてきました。
今のところかなり有名どころばかり読んでいますが、そんな中でも面白い作品、微妙な作品いろいろありました。
せっかくなので乾燥を残しておこうと思います。

無職転生 -異世界行ったら本気だす-

主人公は34歳職歴無し住所不定無職童貞のニート。
絵に描いたようなクズニートだったが、両親が亡くなった後、兄弟から家を追い出され露頭に迷っていたところトラックに轢かれて死んでしまう。目覚めた時、彼は異世界で赤ん坊として生まれ変わっていた。

そうして生まれ変わった主人公はわずか2歳で魔法が使えるようになり、魔力量も異常に多いと非常に優遇された状態で物語が始まります。
しかも転生前は34歳だったわけで、子供とは思えない思考力と知識を持っています。

ここまで来ると現代知識を活用して無双する未来しか思い浮かびませんが、元々が職歴なしの糞ニートです。
そんな者の考えが世の中で通用するわけもなく、予想を裏切り数々の失敗をしてしまいます。また、一見すると非凡な才能を持っていても、この世界には更に強い者がゴロゴロといて、時には一方的にボコボコにされてしまうなんてことも。

本作では主人公は数奇な運命をたどることになり、その結果シリアスなシーンも多かったりします。
時には涙したり、時には頑張れと応援したくなったりと、なろう小説の中でこんなにも主人公に感情移入してしまう作品も珍しいかと思います。

主人公無双を期待している人にはがっかりされてしまう可能性がありますが、読んで損はない作品だと思います。

転生!異世界より愛をこめて

なんとなく30階のビルから飛び降りたら死んでしまい、異世界に転生することになってしまった。
そんなふざけた内容から始まるコメディ色の強いファンタジー小説です。
ドラクエ等のパロディネタがやたら入っていたり主人公のキャラが軽すぎてイライラしたり、かと思えば唐突にシリアスな展開になったりと色々と読み手の気力を削いできます。それらを乗り越えることができればまぁまぁ楽しめるかなといったところ。

ぶっちゃけ読まなくてもいいです。

堕落の王

主人公の名前はレイジィ・スロータードールズ。しがないサラリーマンだった彼は死後、異世界で悪魔として生まれ変わる。
長い長い自堕落な生活を続けていたところ、気づけば怠惰を司る魔王になっていた。
怠惰の魔王らしく基本的に寝てばかりで何にも興味を持ちません。一応異世界転生ものですが、長い年月によって以前の記憶はほとんどなく、思い出す気もないため、異世界転生要素が果たして必要だったのか…。

主人公がこんな感じなので物語は基本的に他のキャラクターの視点で進行していきます。
配下である強欲のデジや色欲のミディア、暴食の魔王ゼブルなど、個性豊かなキャラが多く、主人公は基本的に空気です。

小説2巻分で完結と非常にコンパクトで気楽に読めてそこそこ面白いのですが、いくら設定上仕方ないとはいえ主人公が無気力すぎるのが難点です。
というか、こんな主人公だからこれ以上話が続かないんだと思いますが…。

黒姫の魔導書

自動車に轢かれて亡くなってしまった主人公・杜人は、とある異世界の大賢者・エスレイムの作った『魔導書』として生まれ変わってしまう。
しかし、失敗作と思ったエスレイムはその魔導書を捨ててしまい、杜人は長い長い旅をすることに。
ある日、進学が絶望的な魔法使いの少女・レネに買われた杜人は、魔導書としての知識と現代知識を駆使してレネを偉大な魔法使いへと成長させていく。

第1話の冒頭に『※現代知識無双は主人公の特性上ほぼありません。』と書かれていますが、この作品は間違いなく現代知識無双系の作品です。
ただ、この作品がちょっと特殊なのは主人公はあくまで知識の提示がほとんどで、その技術を魔法で実現するのはヒロインであるレネというところでしょうか。

この作品の魅力は、基本的に登場人物が良い人ばかりで不快な気分にならないところでしょうか。
ほんわかした内容が多く、仮に悪の組織が暗躍していても知らず知らずのうちにその企みを阻止しちゃっているようなお気楽なものがほとんどです。
緊張感が無いと言ってしまえばそれまでですが、安心して読むことができるのが良いですね。
主人公、ヒロイン、ヒロインの友人とそれぞれ役割が分かれており、よくある無双系にありがちな「主人公以外いらないじゃん!」ってことにならないのも良いところだと思います。

唯一不可解なのは現代社会の主人公の服装が狩衣に烏帽子ということ。「流石にそんなやついねーよ!」と突っ込まずにはいられない。
そしてそんな服装が物語上一切関係ないというところも相まって謎設定です。

個人的にはかなりお気に入りな作品なんですが、書籍化もコミック化もしていないんですよねー。

ウロボロス・レコード ~円環のオーブニル~

現代日本で死亡した主人公は、とある異世界の貴族の家にトゥリウス・シュルーナン・オーブニルとして転生してしまう。
その時のとてつもない苦しみと恐怖から、トゥリウスは不老不死の研究に没頭するようになる。
不気味な研究ばかり行っている息子を心配した父は、貴族として人を扱う術を学ばせるべく奴隷を買い与えるのだが、それが大きく運命を動かしてしまう。
生死さえも自由に扱える存在である奴隷を手に入れたトゥリウスは、ついに人体実験にまで手を出し始め、それが家庭の崩壊を生み出すことに。

洗脳や人体の改造、解剖など禁忌とされる行為を平気で行うダークヒーロー系の主人公のお話です。
主人公自体はちょっと魔法が使える程度で別に特別強いわけではないですが、人体改造によって強化された奴隷を味方に無双する系の物語になります。
貴族ならではのしがらみや争いなどストーリーの流れは非常に面白いものがあるのですが、残念なことに2016年4月8日を最後に更新が止まってしまっています。もちろん完結していません。

人気もあり面白い作品なのですが、この先完結しないとわかっている作品なのでオススメしづらいものとなっています。

八男って、それはないでしょう!

平凡なサラリーマンだった主人公はいつも通り自室で眠っていたところ、目覚めた先は見慣れない場所。そして、その体はヴェンデリンという5歳児へと変わってしまっていた。
田舎の貧乏貴族の八男として生まれたヴェンデリンは家を継ぐ可能性もどこかに婿入りする可能性も期待できなかった。
幸いなことに魔法の才能があったため、冒険者となって生計を立てることを考え、成人になるまで森や山で修業の日々を送る。
そうして12歳になったヴェンデリンは、冒険者となるべく冒険者予備校へと入学する。

よくある異世界転生(?)で俺ツエー系の作品です。
わずか12歳で国内有数の上級魔法使いクラスの魔力を持ち、初めての対魔物戦が古代竜のアンデッドでそれを難なく倒してしまうなど基本的に主人公の都合の良いように物語が進んでいきます。
序盤でインフレさせ過ぎたせいで国家予算級の賞金を手に入れたり爵位をもらったりとしてしまいます。この後に小遣い稼ぎレベルの魔物討伐をしていたり商いをしていたりしても違和感しか感じません。
内容も些細な問題を無駄に長ったらしく書かれており、ちょっと読むのがかったるくなってきます。

悪い作品ではないのですが、いまいちハマれない作品となっています。